日々小論

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 英国統治下で最後の香港総督を務めたクリス・パッテン氏のインタビュー映像を見た。反体制的な言動を取り締まる「香港国家安全維持法(国安法)」が成立した直後のことだ。

 冷静な口調ながら、国安法を問答無用で香港に導入した中国を厳しく批判していた。その中で「オーウェリアン(オーウェル的)」という言葉を使ったのが強く印象に残った。

 英国の作家ジョージ・オーウェルが小説「1984年」で描いたような全体主義的な監視社会のことである。パッテン氏は香港が悪夢のような別世界になるだろうと嘆いたのだった。

 いくら何でも少し大げさでは?と一瞬でも思った自分を今は恥じている。

 その後、寒気を覚えるようなニュースが香港から届くようになった。一例を挙げると、民主派活動家の書籍が図書館から撤去された、香港警察が国安法違反で逮捕した10人のDNAサンプルを採取した…。

 昨年6月、本紙に載った中国出身の作家楊逸(ヤンイー)さんの寄稿をふと思い出し、読み返した。

 十数年ぶりに北京を訪れた楊さんは、街角の監視カメラや特殊警察の多さに驚く。ホテルの男性スタッフに聞くと、こんな答えが返ってきた。

 「もう北京には戻って来ない方がいい。人間の住むような町じゃないよ。ここでは俺たち全員が犯罪者扱いされている」。楊さんも「1984年」に触れていた。

 ところで小説の主人公は、全体主義国家の「真理省記録局」に勤めている男性だ。党の都合に合わせて記録を改ざんするのが仕事である。

 トランプ政権になってからの米国でも、そして日本でも買い求める人が絶えないそうだ。

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