日々小論

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 阪神・淡路大震災が発生した1995年以来の歴史を持つ神戸ルミナリエが、ことしは開かれない。要因の一つは、イタリア人関係者の入国がコロナ禍で見通せないためという。「3密」対策は工夫できたとしても、入国禁止には打つ手がない。

 市内の中心部を彩る電飾はイタリア人が手掛ける。独自のデザインを支える部品や、製作する職人もイタリアに手配する。鎮魂の祈りと復興への希望を託す一大行事は、芸術と文化の国の感性に支えられていた。

 ただ海外頼みは費用がかさむ。企業協賛金や個人募金は毎年2・5億円前後が集まるが、企画設計から設営、撤去まで含めた制作費は1・5億円にのぼる。警備や会場運営にも2億円かかり、兵庫県や神戸市の補助金がなければ帳尻が合わない。数年前は開催自体が危ぶまれた。

 山車の制作や踊りへの参加など、全国の伝統的な祭礼は地域が主体となることで文化へと発展している。しかしルミナリエは外注品ゆえ、25回の開催を重ねても地域文化の向上にどこまで結びついたか。

 行政と経済界で構成する組織委員会は、中止になったルミナリエの代替行事を検討するという。地元の芸術家らの感性に委ね、財政面も併せて新たな形を探る好機にできないか。それが2021年にも引き継がれれば、地域文化のさらなる復興にもなるだろう。

 例年、ルミナリエの開催概要はイタリアへの手配を見越して5月ごろに決まる。来年は東京五輪の開幕直前に、意思決定を迫られる。

 世界の感染拡大は勢いが弱まらず、五輪中止論も根強く残る。現行のイタリア依存を続けるのなら、ルミナリエの21年開催も盤石とはいえない。

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