日々小論

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 驚いた女性は多いと思う。欧米の化粧品メーカーが「美白」の見直しに動いたからだ。

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は美白商品の一部の販売中止を決めた。ロレアルは商品から「ホワイト(白い)、ライト(明るい)」などの文言を外すという。

 人種差別根絶への運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」を受けてのことで、J&Jは「白いことが良いのではなく、健康的な肌こそ美しい肌だ」と釈明した。

 ネットで国内の反応を探った。「白人に憧れて美白しているわけじゃない」「白くなることよりシミ予防が目的」…。そう言いたくなるのも分かるなぁとうなずいていたら、「日本には『色の白いは七難隠す』という言い回しがあり、美白は伝統」との意見に遭遇した。

 苦い記憶がよみがえった。「色の白いは-」は子どもの頃に父からよく言われた。たいてい「色黒は嫁のもらい手がない」と続いた。今とは時代感覚が違うとはいえ、結構傷ついた。

 肌の色はかなり繊細な問題だ。異なる人種に対してだけでなく、同じ人種間でも肌の濃淡で優劣をつける現状がある。

 かつて旅をした南アフリカで黒人たちが言っていた。「周辺国から来る労働者はブラックなのですぐ分かる。俺らの肌はそれより薄いチョコレート色」

 インドでは街角にあふれる美白化粧品に圧倒された。女性は肌の色が濃いと結婚や就職に不利になるという価値観が昔から根強いと聞いた。

 そのときは深く考えなかったが、「色の白いは-」が放つメッセージはインドや南ア、そして欧米とも地続きのように感じる。美白を再考する機運は日本でも広がるだろうか。

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