日々小論

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 大恐慌という言葉は歴史の中のものと思っていた。1929年10月24日、ニューヨーク証券取引所の株価が大暴落し、ウォール街が混乱に陥る。経済の悪化は世界に影響を及ぼした。教科書に載っている話だ。

 それが新型コロナウイルスの感染拡大以降、急に身近になった。時折、紙面にも出てくる。経済協力開発機構(OECD)は、世界経済は大恐慌以来の景気後退を経験していると指摘。国際通貨基金(IMF)も世界が今年、大恐慌以来の不況に陥ると警鐘を鳴らす。

 このまま回復しないことを考えるだけでも気がめいる。

 かつての大恐慌さなかの米国でヒットした曲がある。「明るい表通りで(On The Sunny Side Of The Street)」。ドロシー・フィールズが作詞、ジミー・マクヒューが作曲した。

 30年のミュージカルのために書かれたようだが、ジャズのスタンダードになり、ルイ・アームストロングらの演奏で知られる。日本でも人気があり、神戸のライブハウスやジャズイベントでも耳にする機会が多い。

 阪神・淡路大震災のときにも演奏され、軽快なリズムが被災者を励ました。

 明るい表通りでは、1セントも持ってなくても、ロックフェラーのようにお金持ち-。そんなドロシーの詞が、失業にあえぐ市民の気持ちをどれくらい救ったかは分からない。ただ、90年たっても親しまれているのは作品に力があったからだろう。

 大恐慌再来が懸念される今、コロナ禍中にいる人々を勇気づけ、後世まで歌い継がれるような名曲が出てきてほしい。と、思いかけたが、いやその前に一刻も早く感染が収束する方がいい。そう考え直した。

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