日々小論

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 「タテ・ヨコ・算数…」

 神戸大学の岩田健太郎教授が先日の神戸新聞情報文化懇話会で話をこう切り出した。

 「タテ」とは過去や歴史に学ぶこと。「ヨコ」は空間の広がりで、他の国などに学ぶこと。「算数」は数値や事実、論理の裏付けで、「エビデンス」と言い換えてもいいだろう。

 立命館アジア太平洋大の出口治明学長が提唱する思考法で、感染症学者の岩田さんも本で知り、感銘を受けたという。

 今のあり方が正しいかは、先例に照らし、他者と比較しないと分からない。客観的な分析に基づかなければ、自分に都合のいい解釈に傾きがちだ。

 新型コロナウイルス対策に当てはめればどうなるか。

 「ヨコ」軸で見れば、今の日本は世界から「うまくいっている」とはみなされていない。だが第1波の抑え込みにそれなりに成功したので「うまくいった」と勘違いしている。

 それが岩田さんの見方だ。

 対照的に中国や韓国、香港、台湾などは抑制に成功している。一方、米国やブラジルでは感染者が急増しており、岩田さんは日本の今後にも、重症者の増加など厳しい予想を示した。

 この間、医療・検査態勢の整備は進めたが、流行自体を抑える対策はなかったとも指摘する。確かに「Go To」を見ても、政府が「算数」で感染の影響を見越したとは思えない。

 ここでさらに「タテ」軸を1本加えたい。

 11年前の新型インフルエンザ流行時、兵庫県内で初の死者が確認されたのは8月18日。「ひょうご安心宣言」が出てから2カ月以上過ぎたころだった。

 何が有効で、何が計算を超えたのか。そろそろ私たちはきちんと学ばないといけない。

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