日々小論

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 総額12兆6千億円。国の当初予算(2020年度は102兆円)の1割を超える大金が短期間に、個人口座に振り込まれた。全国民に1人10万円を配る特別定額給付金だ。

 三菱総合研究所によると給付金の6割が貯蓄され、3割程度が消費に回った。経済効果は約3・5兆円、国内総生産(GDP)を0・7%押し上げる。

 別の調査では、給付金の使い道は「生活費の足し」が最も多かった。「エアコンを買った」という声をよく聞いたので、そこそこお金は回ったのだろう。

 使ったお金のことは忘れるが配り方を巡って大きな混乱があったことは覚えておきたい。

 兵庫県内のある市は5月1日、オンライン申請の受け付けを始めた。国の申請サイト「マイナポータル」のシステム開示と同時だったが、住民基本台帳と申請サイトの情報をつなぐシステムがなかった。国のマニュアルが同日朝まで開示されず、独自システムの作りようがなかったのだ。

 申請数は1日に804件、2日には774件…と積み上がる。独自システムが動いた8日までに3千件以上に上った。この間、職員は印刷した申請者情報と住民基本台帳を手作業でひたすら突き合わせた。

 「電子メールによる申請と何も変わらなかった」と担当者。「いつ(口座に)入るんや」「なんで遅いねん」。市民からは殺気立った電話が続いた。

 そもそも、安倍晋三首相が記者会見を開き、10万円の給付を説明したのは4月17日。申請開始まで2週間を切っていた。「できるだけ早く」「5月中に」。聞こえがいい言葉は、給付を担う現場を無視していた。

 新しいリーダーは、現場に思いをはせる人であってほしい。

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