日々小論

  • 印刷

 「キョーワコク」と耳で聞いても、堅苦しい響きにどこかピンとこなかった。だがモンゴル語でどう言うかを大学で学び、ふに落ちた記憶がある。

 「ブグドゥ・ナイラムダフ・オルス」。日本語に訳せば「みんなで仲良くする国」。なるほど「共和国」の「共和」とはそういうことだったのか。

 モンゴルは中国の隣だが漢字を使わない。漢語を多様する日本と違い、自分たちの言葉で表現する。だから誰が聞いても言わんとすることが分かる。

 国の制度上、日本は共和国ではない。ただ、「共和」の精神は民主主義の潤滑油として日本にも不可欠なものだろう。

 立場が違っても存在を認め合う。時間がかかろうが、合意に至る道筋を「みんなで」見いだそうと努力する。その精神がすたれれば、息苦しくて暗い世の中になるのではないか。

 ただでさえコロナ禍で多くの人が苦難に直面している。社会のストレスが高まれば、強いリーダーが望まれる傾向がある。

 だがここは冷静に考えたい。危機や脅威を理由に意見の対立をあおれば、政治家は支持率アップが期待できるとされているからだ(大治朋子著「歪(ゆが)んだ正義」毎日新聞出版)。

 折しも自民党総裁選に出馬表明した各氏が政策を発表した。現職の政権幹部に対抗する2氏には「分断から協調へ」「公平、公正な政治の実現」など、長期政治がもたらしたひずみの是正を呼び掛ける言葉が並ぶ。

 確かにこの7年8カ月、「1強」の下で「みんなで仲良くする」精神はなおざりにされてきた。改めなければ亀裂は深くなる。それでは安倍政治の継承を掲げる人物が主張する「自助・共助・公助」や「絆」すら、おぼつかなくなるだろう。

日々小論の最新
もっと見る

天気(10月30日)

  • 19℃
  • ---℃
  • 10%

  • 16℃
  • ---℃
  • 50%

  • 19℃
  • ---℃
  • 10%

  • 20℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ