日々小論

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 気になる数字について。

 それは20・9ポイント。この数字をどう受け止めたらいいか、いまだによく分からない。

 安倍首相が退陣を表明した直後、共同通信社が緊急の電話世論調査をした。次期首相をめぐる問いに加え、内閣を支持するかどうかも尋ねている。

 56・9%。これが内閣支持率である。1週間前の調査では36・0%だから、辞意を表明した途端、ふらつく感染症対策などで下がり続けていた支持率が一転してはね上がった。安倍政権7年8カ月への受け止めも、ある程度という人も含めて「評価する」が71・3%に達した。

 支持率は上下する。しかし、20・9ポイントも大きく動いたことは記憶にない。自民党内からは「解散をするなら今」という声まで聞こえるから、政界にも波が立った。

 世論調査は「スープの味見」といわれる。スープの味とは、世論のこと。鍋のスープを飲み干さなくても、丁寧にかき混ぜれば味は分かるという意味で使われる。

 そのスープの味が変わった。どんどん辛くなっていたのに、急に薄まった。なぜだろう。

 お疲れさまという意味、持病悪化への配慮などなど、いろんな声を見聞きする。多少はあるにしても、これほど上がるだろうかと首をひねる。

 日本人は他国にも増して「しかしまた」が多いと、米国の文化人類学者ルース・ベネディクトが「菊と刀」で書いていた。たとえば、礼儀正しく、しかしまた、不遜で尊大。頑固、しかしまた、新奇なものにも順応-というふうに。

 政治姿勢や政策は厳しく見つめながら、しかしまた、ということなのか…。

 思案の20・9ポイント。

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