日々小論

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 「女性はいくらでもうそをつけますから」。自民党の杉田水脈議員がこの発言を事実と認めた。ブログで「うそをつくのは性別に限らないのに、女性のみがうそをつくかのような印象を与えてしまった」ことを謝罪し、「今後は表現や言い回しに気をつける」とつづった。

 だが、これが性暴力被害者への相談支援事業を巡る発言だったことを忘れてはいけない。男性もうそをつくのに言葉足らずでした、という問題ではない。発言に傷つき、抗議する人たちに響いたとは思えない。

 党の会合で、内閣府から「ワンストップ相談センター」の増設方針の説明を受けた際、民間委託でなく警察の積極的関与を主張した中での発言という。虚偽申告への警戒を求めたと受け取られても仕方がないだろう。

 声を上げても信じてもらえない、警察に訴えて周囲に知られるのが怖い-。一人で苦しむ被害者の大多数は女性だ。警察とは別に、被害者を支える相談体制の拡充は欠かせない。

 杉田氏は「女性蔑視の意図はなかった」と釈明した。だが、人種差別に抗議するマスクを着け女子テニス全米オープンを制した大坂なおみ選手の言葉を借りれば、「差別主義者でない」だけでは十分でなく、「反差別主義者である」ことが重要だ。

 杉田氏は、2年前にも寄稿で性的少数者(LGBT)カップルを「生産性がない」と表現し党の指導を受けた。今回、党は口頭注意としたが形ばかりの処分という印象は拭えない。

 政治の世界で女性は明らかに少数派だ。貴重な女性議員には、多数派には見えていない差別や偏見に敏感であってほしいし、それに堂々と異を唱え、党派を超えて社会を変えていく存在であってほしい。

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