日々小論

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 「ゆるキャラ」の話をゆるくしたい。

 今年で「ゆるキャラグランプリ」が終わるという。このほど岩手県で最後の大会があり、ご当地部門で優勝したのは「たかたのゆめちゃん」、同県陸前高田市のキャラクターだった。

 2011年から始まり、あの「くまモン」(熊本県)のほかに、「さのまる」(栃木県佐野市)「出世大名家康くん」(静岡県浜松市)「アルクマ」(長野県)などがグランプリに輝いてきた。みなさん、覚えておられようか。

 「ゆるキャラ」の命名者は、イラストレーターのみうらじゅんさん。イベント会場で所在なげに手を振る何とも微妙な着ぐるみに言いしれぬ「哀愁」を感じたのが始まりだそうで、当初は「うちのマスコットはゆるくない」と自治体職員からお叱りを受けたこともあったとか。

 変といえば、変。逆転の発想を意味するみうらさんの言葉を借りれば、「そこがいいんじゃない!」ということだろうか。ブームとなるや、日本中に次々と出現した。

 ところが、である。本来は地元の観光や特産をアピールするはずが、ゆるキャラそのものの押し出し合戦へと過熱。いわゆる手段の目的化でグランプリでは自治体職員による「組織票」が疑われる事態も起こった。こうなると、全然ゆるくない。

 みうらさんは全国に存在するゆるキャラを「八百万(やおよろず)の神のよう」と例えた。擬人化されたキャラは、すべてのものに霊魂が宿るとするアニミズムの影響ととらえる指摘がある。ストレス過多社会、苦境にある地方社会の申し子、ともいわれた。

 世相的には決してゆるくなかったこの「ゆるキャラ時代」を未来の人はどうみるだろう。

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