日々小論

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 大阪都構想の是非を問う2度目の住民投票が告示された。賛否は別として、よくぞここまで諦めずたどり着いたものだ、というのが率直な感想だ。

 弁護士から大阪府知事に転身した橋下徹氏が二重行政の解消を訴え、大阪維新の会を立ち上げたのは2010年。大阪市長・府知事ダブル選、出直し市長選、市長と知事を入れ替えるクロス選などで勝利を重ねる一方、15年の住民投票では否決された。浮き沈みはありつつも、10年間にわたって維新主導の議論が続いてきた。

 「法律以下の政令で与えられた権力で、民意以上のことに口を出している」。11年、橋下氏が府知事から市長にくら替えするダブル選に圧勝した際、政令市制度を根底から否定したのを思い出す。知事の意のままにならない政令市の存在そのものが我慢ならなかったのだろう。

 当時は、政令市の権限をより強化する「特別自治市」や、愛知県と名古屋市を統合する「中京都」、新潟県が新潟市を吸収する「新潟州」、都道府県の枠組みを超える「道州制」など、多彩な議論が交わされていた。

 その中で、法に基づく手続きに駒を進めたのは大阪都構想だけ。賛成が多数なら1956年の制度創設以来、初の政令市廃止となる。もし、橋下氏が初めに大阪市長に就いていたらその“悲願”の向かう先は違っていたかも、と想像してしまう。

 大阪市をなくすか、現状維持かは、今回1票でも上回った方に決まる。行政サービスの質や域内の格差問題など都市の将来像を左右する選択だ。大都市のあり方や地方分権を巡る議論が活性化するとの期待もあるが、直接影響を受けるのは市民だ。

 投票せず悔やむことだけはないように、と見守っている。

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