日々小論

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 キャンパスに別れを告げて30年。まさか大学がこんな状況になろうとは…。

 コロナ禍による小中高の一斉休校が解かれても、大半の大学はオンライン講義を続け、秋以降も対面講義は限定的。私が非常勤で受け持つ複数の大学でも、ビデオ会議システム「Zoom」による講義が主流だ。

 学生からは「試験がない代わりに課題やリポートに追われ、疲れる」などの声を聞くが、教える側もなかなかキツい。

 大人数の講義では、学生は画面に登場しない。誰も映らないパソコンの前で独り言をつぶやいている気分になる。オンラインでは、話が短くなければ学生の集中力が続かず、聞いてもらえない。学生のリアクションを引き出す工夫がいるのだが、私の講義は1回完結で、昨年までのやり方を大きく変えることは難しく、結局、ほぼしゃべりっぱなしとなった。

 メリットも感じる。自宅にいる時間が長い学生たちは、考え事をする時間があるせいか、講義後のリポートの内容は例年よりも深みがある印象を受け、読むのが楽しかった。

 ただそうは言っても、大学はキャンパスという空間があってこそ。オンラインでの学びには、対面と比べて明らかに欠ける面がある。学生同士、学生と先生、先生同士の語らいを含む協働学習だ。オンライン講義は基調講演のようなもの。教室を出て、仲間と雑談するひとときが講義同様に大切である。私自身の学生時代もそうだった。

 急きょ導入されたオンライン講義。せっかくの経験を一時的なものとするのは、何だか惜しい。オンライン化でどんな講義が実践できたのか。この経験を糧に、コロナ後の新たな学びを築けないだろうか。

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