日々小論

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 秋深し、なのに今年はまだサンマを味わっていない。近くのスーパーでは2尾300円。「旬の魚は安い」のイメージが崩れ、どうも食指が動かない。

 地球温暖化で海水の温度が上昇し、サンマは日本周辺から遠ざかってしまった。環境省の有識者会議がまとめた温暖化の影響予測をみると、マグロやサケも生息域が変わり、漁獲量が減りそうだという。サンマが1尾98円で買えたことなど、遠い過去の話になりそうだ。

 だが有識者の予測は、それだけではすまない。

 コメや野菜、畜産など農林水産業全体で収量減や品質低下の恐れがある。熱中症の死者が増え、今世紀末の東京と大阪では屋外で働ける時間が今より3~4割減る。太陽光発電の発電量増加などプラスも見込めるが、はるかにマイナスが上回る-。

 サクラの開花から満開までの日数が今世紀末にはさらに短くなり、北日本や西南日本では開花時期が変わる、とも。卒業や入学シーズンの花として、別れと出会いへの思いを重ね合わせる日本の文化まで、変えられてしまうのかもしれない。

 こうなると、温暖化などという穏やかな言葉はそぐわない。地球が人間社会に向かって牙をむく、いわば「地球凶暴化」とする方がふさわしそうだ。

 しかし46億年の歴史を持つ地球がものを言えたなら、きっと反論するだろう。わずか100年の間に森をなくし、二酸化炭素をまき散らし、気候まで変えてしまう。凶暴なのはいったいどっちだ、と。

 あっちが40年後ならうちは30年後と、温室効果ガスの排出ゼロを各国が競い合うようになった。歓迎すべきことではあるが、肝心の地球さんはその程度で勘弁してくれるだろうか。

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