日々小論

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 「政治ニュースからちょっとの間、離れることをお勧めします」

 米国の報道番組を見ていたら、記者が視聴者にアドバイスをしていて驚いた。大統領選挙の数日前のことだ。投票日が近づくにつれて心身の不調を訴える人が全米で増えているというリポートだった。

 「選挙ストレス障害」との呼び名もあり、英語の頭文字を取って「ESD」。不眠やイライラ、不安感などの症状を指すらしい。コロナ禍も相まって、人々のストレスが極度に高まっているようだ。

 先日取材した日米関係の専門家は「米国の友人と話をすると、『おやじを許せない』『妹とはもう口をきかない』とすごいけんまく。誰を支持するかで家族間にも亀裂が入っている」と言っていた。

 日本の米大使館が選挙直前に開いたウェブ講演会で、タイム誌のワシントン特派員フィル・エリオットさんは米国内で広がる家族の分断を心配しながらも、「民主主義にとってのルネサンスが起きている」と語った。期日前投票をする有権者がかつてないほど増えている点を挙げ、「政治への力強い参加だ」と誇らしげでもあった。

 ちなみに冒頭で触れたニュース番組は、心理の専門家らによるストレス対処法をいくつか紹介し、「うまくコントロールして投票に行きましょう」と締めくくっていた。

 大統領選は記録的な高投票率となった。国民の間に大きなしこりが残りそうだ。PTSD(心的外傷後ストレス障害)ならぬ、PESD(選挙後ストレス障害)という名称があることも今回初めて知った。カウンセリング大国でもある米国の一断面を見る思いがした。

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