日々小論

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 天空の城・竹田城跡の山向こうに、ひとつの「物差し」がある。

 先日、朝来市の兵庫県立北部農業技術センターを初めて訪れた。敷地の広さに驚き、手がける研究・実践の幅の広さにまた驚いた。

 「これが、コシヒカリの原原種です」

 げんげんしゅ? 施設内の農地で職員から説明を聞くまで、恥ずかしながらその存在を知らなかった。

 原原種は、「原種」をつくるためのもとだね。稲や大豆など主要農作物について、品種の特性を変化させないよう育てられ、最終的には種子を農家に供給していく。センターの大切な役割となっている。

 言うなれば、農作物それぞれの物差しを育てているようなもの。他の品種が交ざり込んだりしていったん目盛りが狂うと、正真正銘の種子を得ることができない。

 大仰な囲いや看板があるわけではなく、さりげなく植えられ、風に揺れる原原種の稲穂。センターは、但馬牛も手塩にかけて育てている。兵庫の「農の大本(おおもと)」を目にした思いだった。

 コロナ禍で、食の風景が変わった。おうちごはんが増え、飲食店は青息吐息。一方、海外への依存度を低くして、食料の自給率を高める必要性も叫ばれている。

 身土不二。地産地消。スローフード。少しずつニュアンスは異なるが、できるだけその土地の、旬のものを食べる。体を整える。それが食の大本だろう。

 小難しいことはさておき。季節は秋から冬へ。黒枝豆、ヤマノイモ、岩津ネギ、そしてカニ…。とにかくおいしいものが多いんだから、兵庫産は。さあ、食べよう。

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