日々小論

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 新型コロナウイルスの影響で、趣味の旅行から遠ざかっているが、暇さえあれば架空のプランを練っている。

 目的地を決める際、まずは旅の記憶を整理する。美しい景色、おいしかった料理、心に響いたおもてなし…。頭に浮かぶ映像の中で、意外にも鮮明なのが駅周辺の風景だ。

 列車を使った旅で降り立つ駅は、これから訪ねる街への入り口であり、街の「顔」でもある。駅の構内や広場などの装飾に、地元の伝統工芸を生かしている所も多い。駅は旅心をくすぐる要素が詰まっている。

 神戸の中心地・三宮の駅周辺では再開発が進む。西日本最大級のバスターミナルを備える高層ツインタワーの整備事業が本格化し、来春には神戸阪急ビルが新装開業する予定だ。

 一方、JR三ノ宮駅ビルは従来の再整備計画の内容を見直すことになった。旧ビルの解体工事はすでに最終段階。跡地は当面の間、更地になる。

 都心活性化の目玉事業であり、早期開業を待ち望む地元の落胆は大きいが「かえって良かった」との意見もある。

 当初はホテルや商業施設、オフィスが入る高層複合ビルになる計画だった。しかし、コロナ禍で旅客は激減し、多様な働き方も定着した。先に完成する神戸阪急ビルにもホテルやオフィスが入るため、規模によっては供給過多になりかねない。

 先日、三ノ宮駅を訪れると、旧ビル解体工事の囲いが一部取り除かれていた。駅南側に明るく開放的な空間が広がり、足を止めてしばし見とれた。

 画一的でなく、ニューノーマル(新常態)時代の神戸の顔にふさわしい駅ビルに。「見直しが奏功した」。そう言える日が来るといい。

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