11月15日付朝刊の「教育面」は、小中学生の子どもを持つ母親たちによる「紙上保護者会」を特集していた。
新型コロナにほんろうされる学校生活を振り返っての本音トーク。その中で、3密対策のために例年とは違う形となった学校行事も話題になった。
「運動会は演技そのものよりも、友達と話している自然な姿を見られるのが楽しみ。徒競走のみで人数も少なかったけど、自分の子どもがどこにいるのかよく分かり、かえって良かった」(小学男児2人の母親)
この意見に同感する人、結構いるように思う。自分の娘の通う小学校は、中止となった春の運動会の代わりに、学年ごとの体育イベントを10月に開いた。参観は各家庭2人まで。娘たち6年生はリレーだった。
競技自体はあっという間に終わったが、場所取りに出遅れるとよく見えない通常の運動会と違い、ゆったりと観覧できた。何より、子どもたちが走り終えて満足そうな表情をしていたのが印象に残った。
紙上保護者会では、元中学校PTA会長が次のように語っていた。「先生は『見栄えの良いものを』と時間をかけるけど、必ずしも必要ないのでは。もっとシンプルな形にしても十分なことがある」
感染者が増え、学校も神経をとがらせる日が続く。消毒作業などで先生たちの負担は増えている。コロナをきっかけに、学校行事の「当たり前」をもっと見直したらいいと思う。
例えば卒業式や入学式。伝統は大切だが、従来スタイルが唯一無二ではないはずだ。子ども世代にイノベーション(革新)を生み出す力を求める前に、大人たちの創造性や柔軟性が問われている気がするのだが。
