日々小論

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 幕末の●客(きょうかく)、明治になって社会活動にも力を注いだ清水次郎長が生まれて、今年で200年になった。

 地元静岡では、顕彰団体が記念の次郎長像を市へ寄贈した。コロナ禍がなければ、行事はもっとにぎやかだったろう。

 小説、講談、浪曲、映画。いろんなジャンルで描かれた人物である。つくられたところは横に置き、どんな人生を送ったのか知りたくなって経歴を読み、おやっと思う。

 「1876(明治9)年 英語塾を開設」

 足跡をたどった田口英爾(えいじ)著「清水次郎長と明治維新」の年表にあった。

 幕末の残り香が漂い、やっと廃刀令が出た年に英語塾。56歳になった大親分は「これからの若い者は英語を知らなきゃだめだ」と言って開いたそうだ。

 昭和の世になっても「浜のおやじ」の塾で英語を習ったと懐かしむ人がいたというから、ありがちな伝説ではない。

 夜学のようだが、誰が教えたのか、どんな若者が何を期待して集まったのか。塾の詳しい中身は、残念ながら分からない。

 そこで、ひとつまみの推測を年表に加えてみる。

 静岡は茶の一大産地である。静岡茶は横浜を経由して米国へ輸出されたという。

 その国は、清水港のはるか向こう、海のかなたにある。まだ見ぬ国への興味、静岡茶が運ばれる国の人と話してみたいという夢。素朴な関心が若者たちを駆り立てたか、と。

 今年から小学校で英語の授業が始まった。知識として英語を学ぶのではなく、異なる国の人同士が語り合える楽しさも子どもたちが学べたらいい。

 次郎長の年表を見て、英語にまつわるいろんな思いが巡る。

(注)●は「にんべん」に「夾」

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