日々小論

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 ちっちゃい画面で面白いか?と最初は思っていた。コロナ禍で芝居やコンサートが中止に追い込まれる中、次々に登場したインターネット配信だ。

 初めて見た落語会は通信回線の関係か、噺(はなし)家の口の動きと音声とが微妙にずれ、どうも楽しめなかった。しかし2回目では改善され、ストーリー展開に合わせ画面の背景を瞬時に変えるなど、通常の高座にない演出もあった。海外で視聴したファンもいたという。

 週末の夜にコンサートの配信を楽しんだ際は、ビールやアテを存分に用意した。飲み食いしながらの鑑賞など、通常の舞台ではまずあり得ない。

 大半のネット配信は、終了時間が過ぎても一定期間は視聴できるので都合のいい時間帯に何度でも見返せる。スマホやパソコンを接続できるテレビを使えば、画面の小ささはある程度解消できる。

 むろん、舞台の迫力や熱気をそのまま体感できるわけではない。ウイルス感染はまたも急増しているが、収束すれば多くの演者は舞台に戻るだろう。

 だがネット配信が、それで散ってしまうあだ花とは思えない。自由な楽しみ方、距離や時間の制約からの解放など、多くの利点があるからだ。最近、生の舞台でネット配信との併用を見かけるのは、見る側だけでなく演じる側もその利点を実感した証しと言える。

 技術的には、以前からネット配信はできた。だが「舞台は生が一番」という固定観念で、それほど広まっていなかった。

 コロナ禍の苦境を耐えしのぐためやむなく始めたことに、意外な利点が見いだされ、やがて定着していく。ネット配信のような事例は、社会全体でこれからも増えるのだろう。

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