日々小論

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 国語辞典で「読書」を引く。たいていは「本を読むこと」など素っ気ない説明だが、「新明解国語辞典」は違う。

 「人生観を確固不動のものたらしめ」ることなどが目的としこう注釈がある。「寝ころがって漫画本を見たり、電車の中で週刊誌を読んだりすることは、本来の読書には含まれない」

 この辞典を考察した赤瀬川原平さんの著書「新解さんの謎」でも、この項目が注目されている。“新解さん”は読書に厳しいらしい。

 個性あふれる説明で知られる新明解国語辞典の第8版がこのほど発売されて、早速話題を呼ぶ。「エアロゾル」「クラスター」などのありがたくない新語も加わった。「親」の項では慣用句で「親の顔が見たい」が追加されている。“新解さん”に何かあったのだろうか。

 語意は時とともに変遷する。例えば「恋愛」。第6版(2005年発行)では「特定の異性に対して…」と説明されていたのが、第7版(12年発行)からは「特定の相手に対して…」になった。「ラジオ」の項では、「最近のラジオはおもしろくない」というこれまでの用例が消え、第8版からは「ラジオから得られる情報は多い」に。あるラジオ番組が先日、この話題で盛り上がっていた。

 以下、「右」の説明を三つの国語辞典から。

 「アナログ時計の文字盤に向かった時に、一時から五時までの表示のある側」

 「『一』の字では、書きおわりのほう。『リ』の字では、線の長いほう」

 「この辞典を開いて読む時、偶数ページのある側」

 言葉との格闘ぶりが面白くてしばし辞典の旅にふける。これは「読書」では多分、ない。

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