日々小論

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 菅義偉首相が就任して間もなく3カ月たつ。政界では、新政権発足後100日間は総じて支持率が高く、報道機関も厳しい批判を控える「ハネムーン期」とされるが、菅政権に関しては早くも過ぎ去ったようだ。

 どの世論調査でも60%を超えていた内閣支持率は急落した。新型コロナウイルス対応の迷走に加え、前首相らの疑惑が相次いで浮上したためだろう。

 だがもっと根深いのは、首相自身の言動が、地方出身のたたき上げ、痛みが分かる苦労人、という初期設定からずれ始めていることへの違和感だ。

 象徴的だったのは、初の臨時国会を終えた4日の記者会見。約50分間、終始うつろな表情でペーパーを棒読みしていた首相が、一度だけ笑顔を見せた。

 日本学術会議会員の任命拒否問題で「これほどの反発を予想していたか」と問われ、「かなりなるのではと思っていた」と認めた時だ。6人を拒んだ理由など核心には何も答えていないのに、どこか得意げに見えた。

 「こんなはずじゃなかったんだよ」という苦笑いならまだ分かる。しかし首相は、推薦通りの任命に官房長官時代から問題意識があり、「既得権益、あしき前例主義の打破」を掲げる中で自ら判断したと述べている。批判をものともせず、権力を思い通り行使したことへの達成感に近いのではないか。

 肝いりの政策や意に沿う者に肩入れし、異を唱える者は黙って排除する。強権も辞さない姿勢が顔をのぞかせたと言える。

 コロナ禍の克服、東京一極集中の是正、選択的夫婦別姓の導入など、地方の現場や少数者の痛みに目を向け、突破してほしい壁はほかにある。首相にこうした「国民の問題意識」は見えているのだろうか。

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