日々小論

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 今年の新語・流行語大賞に「3密」が選ばれた。新型コロナウイルスに振り回された年を象徴する。では今の世界状況を2文字で表すとどんな言葉が浮かぶだろう。「分断」を挙げれば納得する人が多いと思う。

 米大統領選しかり政治、外交、経済のあらゆる場面で猛威を振るう分断の嵐がコロナ禍で加速し、世界中が処方箋を求める。そんな中、クラシック音楽専門誌「音楽の友」が11、12月号で面白い対談を企画した。

 小泉純一郎元首相と志位和夫共産党委員長。国会で激論を戦わせた好敵手だが、2人の共通の趣味がクラシックであることに着眼した。

 小泉さんは中学生、志位さんは高校生でバイオリンを始め、ともにモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を弾いた。それが音の芸術に魅せられるきっかけになった。寝る前に音楽を聴く習慣や心に残る作品の話で盛り上がる。国会では見られなかった顔で、長年の知己のようでもある。

 議論はコロナ禍で危機に立つ音楽界支援へと発展した。志位さんは「どこの国でもバッハ、モーツァルトは愛されている。音楽は人類の宝物」と超党派の救済を呼び掛け、小泉さんは「音楽に党も国境もない。言葉がなくても通じる」と応じた。

 保守と革新の重鎮が意気投合する姿は、分断され迷走する社会への強いメッセージとも響く。音楽の力を実感した。

 司会者が冗談ぽく、2人に共演を薦めた。小泉さんは「無理だよ」と笑った。長年、楽器に触れていないからと。

 ならば、苦境に立つオーケストラが伴奏で協力してみてはどうだろう。2人の音色は、本場欧州へも音楽の違った魅力を伝えてくれると思うのだが。

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