日々小論

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 「ぴえん」は今月、三省堂の「辞書を編む人が選ぶ今年の新語」で大賞に輝いた言葉だ。

 遅ればせながらこの秋、私の元にも「ぴえん」が届いた。旧知の子ども食堂の買い出しを手伝ったところ、お礼のメールが送られてきた。末尾に記されていたのが、「ぴえん」。

 ちょっぴり悲しい気持ちになったときに添えるものと理解していたが、うれしいときも使うのだ、と教えられる。

 そういえば朝、NHKラジオで「あなたの『ぴえん』なエピソード」の投稿を紹介していた。私より上の世代、人生の先輩方がうまく使うのを聴き、微妙な心模様を伝えたいとき、しっくりくる表現だと思わされた。辞書を編む言葉の収集家が、新語大賞に選ぶのもうなずける。

 さて先月、友人の高校教諭に頼まれ、授業に使う資料づくりを手伝った。米大統領選挙で勝利した民主党の副大統領候補、カマラ・ハリス氏の演説に感動が広がったのは記憶に新しい。これを使いたいと相談され、記事などを収集して送った。

 ハリス氏は演説で、人種や性別などで少数者の立場にいる人たちにエールを送った。そしてすべての子どもたちに「みなさんの一歩一歩に喝采を送ります」と語り掛け、信念を持って未来を切り開くよう励ました。 後日、友人から電話があった。生徒たちは政治と言葉をテーマに意見を交わしたそうだ。「なぜ日本の政治家は私たちの胸に響く言葉を発しないのか」。間もなく選挙権を得る生徒たちが熱心に語り合う姿に、友人は手応えを感じたという。

 電話に続いて資料の返却を伝えるメールが届く。お礼の言葉とともにこうあった。「ぴえんこえてぱおん」

 また新しい表現に出合った。

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