日々小論

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 昨年の師走の小欄で、高校の授業の資料作りを手伝った話に触れた。授業では、米大統領選挙で勝利した民主党の副大統領候補、カマラ・ハリス氏の演説を読み解いた。

 人種や性別などで少数者の立場にいる人たちにエールを送り、励ますハリス氏の演説は、米国民はもちろん、遠く日本の高校生の心も揺さぶった。

 「なぜ、ハリス氏は聞く人の心に響く演説ができるのでしょうか」。後日、生徒たちに話を聞いてみた。

 「優れた人格者だから」「言葉を大事にしているから」。中に、こう答えた生徒がいた。

 「自分のことがよく分かっているから」。人にどう見られているか、何を期待されているか。いいところ(強み)、悪いところ(弱み)は何なのか。

 「そういったことが分かっているので、しっかり自分の言葉で語ることができるのだと思う」。ゆっくり考えをまとめながら、その生徒は話した。

 なるほど、と思わされる。同じメッセージでも、発する人によって伝わり方は違ってくる。みんな授業を通して、いろいろ考えたのだろう。つられて、こちらも熱く語るうち、気付けば1時間余りが過ぎていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で昨年来、国内外の指導者の言葉に耳を傾ける機会が増えた。「打ち勝つ」「克服する」といった強い言葉が飛び交うのは、男性の指導者が多いからだろうか。勇ましすぎて、自粛要請も「ほしがりません、勝つまでは」と聞こえそうなほどだ。

 立場の弱い人を守る、互いに支え合う、ともに生き抜く。そんな心に響くメッセージを、自分の言葉で伝えてほしい。来春までに18歳を迎え、有権者になる生徒たちは願う。私も願う。

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