日々小論

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 年明け、新聞広告の大きな文字が刺さった。「君たちは腹が立たないのか。」

 腹立ててますよ、私も。日々新聞を作りながら、政治の現場から流れてくるニュースに怒りあきれ、懲りずに腹を立てている。

 出版社・宝島社の企業広告だ。全国紙の見開き、全ページぶち抜き。じだんだを踏んで泣いて怒る赤ちゃんの銅像が、どアップの写真で迫る。「まず いちゃもんつけるやつ(中略)嘘(うそ)つくやつ…」にもっと怒っていい、と。宝島社は「同調圧力に屈するのではなく、正しく怒りの声を上げることの大切さ」を考えてほしかったとホームページで意図を説明している。

 今、誰もが何かしらコロナ禍の影響を受けている。我慢したり疲弊したりしながら1年近く、しかるべき立場の人が発する心に響く言葉を待っている。

 それなのに、やれ宴会だ、高級車だ、贈収賄だと気持ちを逆なでする。私たちが重ねてきた選択の果てがあの姿か。そう思うと、自分をあきらめるようで情けなくなる。

 「みなさん、今は我慢の時」と言いながら期末手当(ボーナス)を満額もらい、さっぱり活動が見えない議員のセンセイたち。国会はようやく始まったが、公助の充実を突き詰めるより、コロナを盾に「私権」を縛る法律を優先する様相だ。私たちがすぐ忘れることや、世間のムードに弱いことも計算に入れているのだろう。

 でも幸運なことに、今年は大きな選挙がいくつか控えている。1票欲しさの耳に心地よい言葉には、ほだされまい。ずいぶん放っておかれていること、優しくされていないこと。その人が危機にどう振る舞ったか、忘れずに怒ったままいたい。

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