日々小論

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 サッカーに詳しくはないが、クリスティアノ・ロナルドの名前は知っている。数々の得点記録を打ち立てた当代一、二を争うポルトガル出身のスーパースター。知っているのは実は、そのくらいだけど。

 先月決勝が行われた全国高校サッカーで、そのスーパースターのかつての振る舞いが話題になった。テレビでご覧になった方もあるだろう。

 優勝した山梨学院のある選手の、小学生のころの話である。何かのイベントで来日したロナルド選手と対面することになった。当時の映像を見ると-。

 男の子が懸命に練習したポルトガル語で「いつか一緒にプレーしたいです」と伝えているのだが、緊張のせいか、うまく言葉がつながらない。自然、周囲から笑い声が起こった。

 そのとき、ロナルド選手がちょっと怒ったような顔になり、こう言ったのだ。「なぜ笑うんだい? 彼のポルトガル語は上手だよ。すごいことだよ。ポルトガル語で準備してきて」。その一言で魔法のように笑いは消え、代わりに拍手が…。

 テレビを見ながら、もし自分がその場にいたら、と考える。悪気はないとはいえ、恥ずかしながら一緒に笑っていたかもしれない。一生懸命な人をどうして笑う? 君だって笑われたら悲しいだろう? ロナルド選手にピシャリと叱られたような気がして、一人うつむいた。

 ロナルド選手のことを書いた本を読んで、知った話がある。大西洋のマデイラ島出身で、12歳のとき、サッカーのために首都リスボンに移り住んだ。島の言葉遣いがおかしいと、クラスメートに笑われたことがあったらしい。彼は怒鳴ったという。「笑うな!」

 一生懸命を笑わない。

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