日々小論

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 「人間と人間が協力することはむずかしい しかし協力した結果はすばらしい 神戸市都市計画局」

 神戸・新長田駅から南に向かう地下通路の一角に、こんな銘板があるのを最近知った。てっきりこの地区一帯で進められている阪神・淡路大震災の復興再開発事業に関する銘文かと思って読むと、末尾に刻まれた数字は「1965・11」。

 この年に完成し、30年後の震災で被災、閉店した神戸デパートの礎石だった。保管されていた礎石を、2019年の地下通路改装を機に移設したという。

 当時、この地で全国初の「市街地改造事業」が進められ、デパートはそのシンボルだった。

 「人々が協力して大事業を成し遂げることの偉大さを今に伝える」と添えられた説明文を読み、その陰でどれだけの苦悩があったかと想像する。事業は完成に近づくが、にぎわいはまだ戻らない-。どうしても今のまちの姿を重ねてしまうのだ。

 そんなまちの魅力を自由な発想で伝えようと、再開発地区の南端、新長田合同庁舎に移転した神戸市税務部の若手職員7人が、気になる場所や人をSNSで発信する取り組みを始めた。本業と畑違いの取材、撮影、編集に試行錯誤しながら、昨年10月から週2回配信している。

 ユニークな職員紹介から始まったインタビューは地域の人へと広がる。「地域に学び、いろんな人とつながって、盛り上げていきたい」と山田智也係長。まちの空気をじかに感じる経験は彼らの糧にもなるだろう。

 見つけたオブジェなどを擬人化してその由来を語らせる名物企画もあるが、あの礎石とはまだ出会っていないようだ。どんな声を聞き取り、伝えてくれるのか、楽しみにしている。

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