日々小論

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 先週、職場のテレビは東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言で持ちきりだった。見るともなく見ていると女性の同僚がひとこと。「この話、ほんま腹立ちますね」

 よみがえったのは3年前の光景だ。そのときのテレビは財務事務次官のセクハラ問題で持ちきりだった。被害者の女性を擁護するどころか「(次官が)はめられたんでしょ?」とやゆするコメントもあった。

 聞くともなく聞いていると、やはり女性の同僚が「不愉快です。やめましょうよ」とチャンネルを変えてしまった。

 今回の森発言が容認されないのは当然だ。「神の国」などの失言歴を念頭に「ああいう人だから…」と話す自民党議員もいたが、結局は失言の内容自体を黙認したにすぎない。

 では自分はどうか。単なる失言ではなく人権に関わる問題を、どれだけ真剣に受け止めていただろうか。テレビで流れていても、見るともなく見て、聞くともなく聞いていたのは、黙認と同じではないか。

 日本ラグビー協会の稲沢裕子理事によると、会長だった森氏に女性を差別するような振る舞いはなかったそうだ(当たり前だが)。しかし何かの折に、本音が顔を出す。それが「無意識の偏見」だという。

 クラス名簿も運動会も、前は男子で後が女子。そんな昭和の時代に生まれ育った自分が、無意識の偏見とは無縁だと胸を張る自信はない。森発言に抗議して聖火ランナーを辞退した男性もいた。女性ならずとも心から怒らないと、ジェンダー平等社会は道遠しと自戒する。

 結局、森氏は会長辞任を表明した。「これまでの実績は評価できる」との声も聞く。さてどう思います、男性のみなさん。

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