日々小論

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 スウェーデンのストックホルム市が、例年ノーベル賞の晩さん会を開く市庁舎の「青の間」で、新型コロナウイルスワクチンの接種を行うのだという。同国大使館の公式ツイッターによると、この部屋は広いので、感染対策を講じつつ市民に接種できるのが理由だそうだ。

 昨年はコロナ禍のために晩さん会も中止されたが、あの荘重で華やかな大広間が接種会場になるとは思いもしなかった。

 この市庁舎を一度訪ねたことがある。青の間は青に塗る予定だったが、れんがの壁のままにして名前だけ残ったと聞いた。天井の装飾がすばらしい議事堂をはじめ、観光客は部屋ごとでため息を漏らしていた。

 建物は意外に新しく、1923年の完成だ。ほぼ同じ年代、28年に開館した市立図書館も印象的だった。広い円形の室内を取り囲むように、3層の美しい書架が並ぶ。小川洋子さんや村上春樹さんの本もあった。

 魅力的な公共建築が観光資源になって、世界の人々を集めていることが興味深かった。

 20年代から30年代の建物は神戸にも残っている。居留地のシンボル的な旧大阪商船神戸支店は来年100歳。デザイン・クリエイティブセンター神戸として活用している旧生糸検査所、銀行だった市立博物館など、震災に耐えた名建築がある。できるだけ大切にしたいものだ。

 そういえばストックホルムは神戸と同じ「水の都」。市庁舎も海辺にある。移動では小さなフェリーが便利だった。地下鉄やバスと同じ公共交通のチケットで乗ることができる。

 神戸市はウオーターフロントの再開発事業で海上ロープウエーの整備を検討しているそうだが、それに合わせて水上の足もあれば楽しいかもしれない。

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