日々小論

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 エコノミストの吉崎達彦さんが少し前にホームページで、コロナ後の町内会活動について気をもんでいた。昨年は花見や年次総会などの年中行事が軒並み中止になったが、自粛モードはどうやら2年目に突入しそう。2年連続中止となれば、3年目の復活は難しいのではないか、と。

 行事の多くは実際のところ毎年惰性で続いており、いったん打ち切られたら元に戻すのは相当な腕力が必要になる-という見立てだ。ただし、行事が必要ないとは言っていない。ドブさらいを例に「『不要不急』と言われて中止になる行事のほとんどは、『不急』ではあるけれどもけっして『不要』ではない」と強調する。

 「不要不急」として昨年、バッシングを浴びたこともあるのが演劇。「自粛2年目」に関係者の危機感は強い。この1年は給付金などで公演中止や延期といった事態を切り抜けたものの「今年は稽古場や劇団が維持できなくなるケースも出てくるのでは」との声が聞こえてくる。

 神戸を拠点とする劇団「自由人会」は毎年、全国の中学校や高校で巡回公演を行っているが、コロナ禍を境に予定していた公演の8割が中止になった。来年度の演劇鑑賞会をどうするか決めかねている学校も多い。代表の森もりこさんは「2年続けて中止になると、演劇鑑賞自体をやめてしまう学校が出てくるのではないか」と気をもむ。

 「不急ではあっても不要ではない」。文化芸術はまさしくその一つ。今は「不急」で触れられないものを、イコール「不要」と切り捨ててしまうのはもったいない。町内会活動でも芸術鑑賞でも、心豊かに生きるために必要なものは何か、コロナが収束する前に考えておきたい。

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