日々小論

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 兵庫県が教育の分野で誇れる「全国1位」がある。

 それは、公立全日制高校の市町などへの立地率が全都道府県で最も高いことだ。現在、市川町を除く全市町に高校がある。少子化が進む中でもできるだけ高校を残し、地元で学ぶ機会を保障してきた結果といえる。

 文部科学省の資料によると、立地率が最も低いのは鳥取県。同県内の半数強の市町村に高校がない。このほか長野県、熊本県、高知県、奈良県なども高校空白地域が多い。

 一方、兵庫に続いて立地率が高いのは広島県で、以下、愛媛県、富山県、岩手県の順になる。兵庫以上に過疎地域を持つ県もあり、それぞれの地域が高校存続のための地道な努力を重ねている。

 少子化のスピードはすさまじい。1989年に約8万7千人だった兵庫県内の中学卒業者数は、2029年には半分以下の4万人にまで減る。但馬地域に限ると約3分の1になる。既に小、中学校の再編は加速しているが、高校のあり方も変わらざるを得ないのだろう。

 それでも、山間部では可能な限り高校を残してほしい。子どもが希望を持って地元で高校まで学べる環境をつくることは、地域の未来につながるはずだ。先日、元文科省官僚の寺脇研さんが「高校は地域を活性化する」と毎日新聞に同趣旨の寄稿をしていて、意を強くした。

 確かに課題は多い。学校規模が小さ過ぎれば、たとえリモート授業を駆使して広く学ぶ機会を提供しても、生徒の意欲に十分にこたえられないかもしれない。財政面の不安もある。

 しかし、国や自治体には、少子化だからこそ夢のある高校の将来像を描いてほしい。地方創生に重要な視点だと思う。

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