日々小論

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 窓の外は春の緑。ここは「温かい居場所」。

 神戸市灘区、JR六甲道駅にほど近い大和公園内に「地域共生拠点・あすパーク」がオープンして1年を迎えた。

 施設の歩みは、コロナ禍の日々と重なる。人が集まることもままならず、大変だったのではと案じたが、運営する認定NPO法人「コミュニティ・サポートセンター(CS)神戸」の中村順子理事長は意気盛んだ。

 「コロナ禍で『失われた1年』と言われるが、ここでは多くが積み重なった1年でした」

 阪神・淡路大震災を機に発足したCS神戸が、住民がともに支え合う地域づくりの新たな拠点に、と企画。誰もが利用しやすい場所として公園を選び、神戸市も設置を許可した。

 26年前、被災者に水を届ける活動を始めたのが公園だった。被災地が日常を取り戻すにつれ、行政の手が届かない介護や居場所づくりなど地域課題の解決に活動を移してきた。

 この1年で、月1回の地域食堂、高齢者や外国人の居場所づくりに取り組む団体支援など、30を超す事業が生まれた。地元企業と子ども食堂などが手を組み、余った食材を活用する循環型食育など新たな企画も進む。

 中村さんは「小さな社会実験」と口にした。多様な市民が出会い、交流し、学ぶことで、地域の役に立つ事業に挑む。あすパークは応援する場所。

 コロナ禍で先行きが不透明な今、企業や行政、私たち自身が社会実験のただ中にいる。

 「活動から『人の輪』が見えてきた」と中村さん。助け合ったこと。つながりの大切さ。日常の人間関係や仕組みが非常時にも役立つ。公園の片隅にできた「温かい居場所」に、震災の教訓が息づいていた。

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