日々小論

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 毎年秋に古い友人と飲み会を開いている。場所はバブル末期に大学生活を過ごした京都市内。同学年の男女6、7人で、まさに不要不急の話で盛り上がるのは最高に楽しい瞬間だ。

 関西在住者が中心だが、愛知や新潟からも駆け付ける。ただコロナへの感染を気にしてか、昨年は参加者が半減した。筆者も迷った末にお店の対策を確認した上で顔を出した。今年こそはフルメンバーで集いたい。

 「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」。利害関係者からの接待問題で、事実上の引責辞任をした山田真貴子前内閣広報官の言葉である。昨年若者向け動画メッセージで発信していたことが話題になった。痛々しいまでの信念が結果的に自らを追い詰めたかもしれないと思うと複雑かつ残念な心境だ。

 山田さん流に言うと、筆者も「飲み会を断らない男」である。ただし「学校の仲間との」の枕ことばが付く。いつからか業務などの制約がない限り、必ず参加するよう意識している。

 なぜ学友との飲み会が面白いのか。答えは明快だ。利害関係がない。自分を繕わずに済む。気分を解放できる。広がりがなく内向きかもしれないが、だからこそ得られることもある。

 この春社会に出る若い人に伝えたい。学校生活で出会った友との交流をずっと大切にしてほしい。ぴんとこないだろうが、年を重ねるほど対人関係に何らかの利害が絡みがちになる。超越した付き合いになるのは経験から言うと多くない。だから面倒でもつないでもらいたい。

 大きなお世話と思うかもしれない。でも聞いてほしい。昨年来のコロナ禍にあって、たまに連絡し合う、昔からの数少ない仲間のありがたさを、筆者自身が身に染みて感じているから。

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