日々小論

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 新型コロナウイルス対策を巡り、都道府県知事の言動が注目されている。

 国とは別に独自の緊急事態宣言を出す県がある一方、早期の宣言解除を求めたトップもいる。生命の保護と経済の維持という相反する二つの課題の間で揺れている。

 島根県内の五輪聖火リレー中止の意向を示した丸山達也知事もその一人だ。東京都や国の予防対策への不満、感染者の多い地域と少ない地域との支援差を理由に挙げた。五輪関係者からは「聖火リレーを人質にとっている」との反論が上がり、対立した。

 しかし、この人には違和感を覚えた。「知事の発言は不用意。注意する」と発言した竹下亘自民党元総務会長=衆院島根2区=だ。「注意」の言葉がひっかかった。

 知事の意見は県民の声を代弁したものである。地方の民意に対し、政権与党が「注意」するのはいかがなものか。

 全国のコロナ感染者数は45万人を超えたが、首都圏の4都県がその半数を占める。対して島根をはじめ千人を下回る県もある。同じ県内でも市町村で差がある。

 住民の生命を預かる地方自治体のリーダーは、これまで以上に「地域ファースト」の視点が求められるように思う。

 太平洋戦争の末期に沖縄県知事を務めた神戸出身の島田叡(あきら)氏は、生命重視の戦時行政を行ったことで知られる。軍隊とともに玉砕することを求める大本営に反し、県民に「生きろ」と訴えた。

 戦争と同列に語ることはできないが、コロナ禍ではやはり住民が危機にさらされる。知事らの地元目線のかじ取りも、その命運を握っている。

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