日々小論

  • 印刷

 昨年、関西学院大の災害復興制度研究所が福島第1原発事故による避難者を対象にした初の全国調査は回収率14%だった。福島県が県外に設けた生活再建支援拠点などの協力を得たが、多いとは言えない数字だ。

 避難先になじみ、もう避難者ではないと考える人もいれば、生活に追われ回答する余裕すらない人もいる、と調査結果の分析を続ける斉藤容子准教授。

 一方、県などが把握していない避難者が報道で調査を知り、自ら参加を申し出たケースが100件を超えた。全体で約700件の回収数に対し、決して少なくない数だ。「調査をしてくれてありがとう」との声も寄せられたという。声を発する機会もなく、孤立を深める県外避難者の姿が浮かび上がる。

 そんな中、復興庁と福島県がようやく県外避難者の実態把握に乗り出すという。自己申告に任せていたが、帰還したり避難先で定住を決めたりした人に改めて届け出を求め、早ければ4月分の集計に反映する。3月時点で約2万8千人だった県外避難者数は大幅に減るだろう。

 だが、課題が軽くなるわけではない。関西の避難者に支援情報を届ける「まるっと西日本」の代表世話人古部真由美さんによると、母子世帯を中心に生活困窮や心身の不調は深刻化し、不登校や進路に悩む子ども世代からの相談も増えている。

 「実態把握」が進むことで、こうした避難者の存在が埋もれてしまっては本末転倒だ。

 「避難」はいつ終わるのか、決められるのは避難者自身しかない。だが、それぞれが答えを見つけるまで支えることはできるはず。まずは、避難者は近くにいると知ることから。

 まるっと西日本TEL080・4484・0298

日々小論の最新
もっと見る

天気(5月13日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 28℃
  • ---℃
  • 10%

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 24℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ