日々小論

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 「2020年、どれだけの予定が白紙になっただろう。」

 「NOLTY(ノルティ)」ブランドの手帳を発行する日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)のポスターにある言葉である。最近、書店の文具売り場で目にし、誰もが心当たりがあるであろうメッセージに思わず視線が止まった。

 私事で恐縮だが、仕事用の4月始まりの手帳を新調した。スケジュール管理の手段は、スマホやパソコンなど人さまざまだろうが、筆者は手書きの手帳を使い続けている。

 1年余り続くコロナ禍は、高齢者のワクチン接種が始まったものの、一向に出口が見えてこない。強い感染力の変異株が拡大し、流行の「第4波」が押し寄せており、中止や延期を余儀なくされる行事や予定がさらに増えそうな気配だ。

 先月まで使っていた手帳を改めて見返してみる。予定の変更が目立ち、昨年5月以降、筆記具をシャーペンに変えた。なくなった予定を消しゴムで消せば見やすくなると考えたからだ。

 だが、今となっては失敗だったと感じている。人間の記憶力ほど頼りないものはない。いつどんな取材や会議が予定され、キャンセルに至ったのか。これらを含め、記録としても全て残すべきだった。

 冒頭のポスターは「白紙から、立ち上がれ。」と大きな文字で呼び掛ける。JMAMによると、「コロナ禍の中、世の中を元気づけたい」との思いで制作したといい、「心に刺さった」などの反響もあるようだ。

 新しい手帳に最初に記したのは神戸で近く開かれる講演会の取材予定だ。もちろんボールペンで。未来に向けて予定や計画を刻む。そのたびに出口に一歩ずつ近づいていると信じたい。

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