日々小論

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 災害に見舞われたとき、被災した人には、行政や民間によるさまざまな支援がある。ただ、生活再建に関する制度はどれも複雑で、分かりにくい。

 5年前、震度7の揺れが2度襲った熊本地震の被災地では、各地の災害時の教訓を踏まえ、新たな試みが見られた。

 熊本県南阿蘇村では、阪神・淡路大震災を経験した専門家の助言もあり、「住まいの再建ガイドブック」を作った。被災前の居住形態に合わせた助成や公的融資などの支援制度を示すチャート(図表)も用意した。

 同じ村でも被害状況には差がある。家の解体後、村を離れた人も少なくない。村は、住宅を再建するかどうか迷う人たちを対象に、1世帯ずつ日程を調整し個別相談会を開いた。

 陶芸家の北里かおりさん(50)は地震で自宅を失いながら、村の集落支援員として相談に乗った。「阿蘇大橋が復旧したら戻りたいが」「子どもの通学もあり、村を離れざるを得ない」。どれも切実な声だった。

 「職員も地震対応に手いっぱいで、支援員の方が相談しやすいと言う人がいた。それぞれの暮らしぶりに合った支援策を、一緒に考えた」と北里さん。

 村の人口は震災前に比べて約1割減った。それでも、住宅の再建が必要な818世帯は、5月までに全て工事を終える見込みだ。

 災害は、高齢化や生活困窮など、もともと地域が抱えている課題を深刻化させる。一人一人の実態に即した支援プランをオーダーメードで組み立てる「災害ケースマネジメント」の活用を考えておく必要がある。

 熊本地震の経験を生かし、個々の状況に合う支援策を早い段階から助言できる仕組みを、より強いものにしていきたい。

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