日々小論

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 久しぶりに欠かさず見ているテレビ番組がある。平日の朝7時半、サンテレビで再放送しているアニメ「じゃりン子チエ」だ。最初に見た時はチエちゃんと同じ小学生だったが、大人になった今見ると、なおのこと、じんとくるものがある。

 原作は、はるき悦巳さんの同名漫画。ホルモン店を切り盛りする少女チエ、けんかとばくちに明け暮れる父テツを中心に、大阪の下町人情を描く。1981年にアニメ化され、幾度となく再放送されてきた名作だが、近年は見かけなくなっていた。

 久々の再放送に、ネット上でもファンが沸いている。「朝から元気が出る」「さすがサンテレビ」「ようやった」…。放送局の勇気をたたえる声が目立つのは、昨今では不適切な内容を含んでいるせいか。酒を出す店で小学生が働いていること自体、批判の的になりかねない。

 例えば、テツの恩師・花井拳骨(けんこつ)が、チエに酒を勧める場面がある。その息子でチエの担任である渉が止めに入ると、花井先生は一喝する。「バカタレ。お前みたいな教科書どおりの教育で、この異常な一家が救えるのか!」

 また、テツが賭博で捕まりそうになった時に、落ち込むチエを励ますおばあはんのセリフもすごい。「食べなはれ。ひもじい、寒い、もう死にたい。不幸はこの順番で来ますのや」。そこでチエは屋台のラーメンを平らげ、元気を取り戻すのだ。

 もちろん未成年の飲酒や違法な賭博は良くない。が、テツよりもたちの悪いウイルスがはびこる今の世もまた、異常な状態である。その場しのぎで繰り返される宣言や要請より、花井先生の荒療治が、おばあはんの単純明快なアドバイスが、深く胸に染みてくるのである。

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