日々小論

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 コロナ禍で都市部から地方へ移住する人が増えている-。そんなイメージを持つ人は多いと思う。自分もそうだった。

 確かに、田舎の良さが見直されている面はある。兵庫県内でも移住の問い合わせが増えているとか、企業が拠点を移してきたとか、「ついに地方回帰か?」と思わせる事例がある。

 しかし、2020年の人口移動のデータからは「脱都会」のうねりは見えてこない。

 東京都は依然、転入者数が転出者を上回る「転入超過」で、全国1位の3万1125人増となった。19年と比べて増え方は小さかったが、それは神奈川県や千葉県など近隣への転出が増えたから。つまり、コロナ下でも東京を含む首都圏への人口集中は変わっていない。

 兵庫県はどうか。残念ながら、転出者数の方が多い「転出超過」だった。6865人減り、愛知県に次いで全国ワースト2位。19年よりも大きく減らす結果となった。

 人口動態に詳しいニッセイ基礎研究所(東京)の天野馨南子(かなこ)さんは、兵庫県から大阪府へと人口がより多く流れる傾向が強まったと指摘する。大阪の企業のテレワーク実施率は東京より低い。それもあってか、大阪で働くことを望む兵庫県民は県境をまたぐ通勤をあきらめ、職場の近くに移らざるを得なかった可能性がある-とみる。

 気になるのが東京の「吸引力」だ。天野さんによると、東京では20年に女性が男性の2・2倍増えた。20代前半が目立つ。コロナ下でも、若い世代(とりわけ女性)は東京を就職先に選んでいる。

 昨年来、移住者の誘致策を強化した自治体は多いが、現状分析を急いでほしい。戦略の再検討が必要かもしれない。

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