日々小論

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 「個人の見解」と断れば何を言っても許されるのか。政治家や政府関係者の相次ぐ暴言や差別的発言を、このひと言で不問に付そうとする政治の姿勢に、個人的に異を唱えたい。

 中山泰秀防衛副大臣は、イスラエルとパレスチナの戦闘に関し「私たちの心はイスラエルと共にある」とツイートした。双方に共存と自制を求める日本政府の立場を逸脱すると野党から批判を浴びたが、政府は「個人の見解」と静観を決め込んだ。

 「私たち」とは誰を指すのか。支持者か、自民党か、内閣の面々か。政府はパレスチナから抗議を受けており、個人的問題では済まされない。

 中山氏は投稿を削除したが、反省どころか「注目してもらい、役割を十分果たせた」と達成感さえにじませた。日韓の歴史認識問題を巡る投稿でも、嫌韓感情をあおるような物言い(あえて関西弁)が「ヘイトスピーチ」と非難されている。

 内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授は、国内のコロナ感染状況を「さざ波」と評し、緊急事態宣言は「屁みたいなもの」と投稿した。その波で奪われた命があり、波にのまれまいともがく人々がいる。批判を受けて自ら参与を辞したが、菅義偉首相は「高橋氏なりの分析」と擁護していた。政策判断にどんな助言を受けたのか、心配だ。

 性的少数者を巡る法案協議では自民党の元国土交通政務官がLGBTは「生物学上、種の保存に背く」と発言した。当事者だけでなく、子どもを持たない夫婦らも傷つける。「差別は許されない」と法案に加える修正にも自民党内から異論が出た。

 反差別に反対する政治家と、足元の差別発言を放置する政権。これこそ差別を禁じる法律が必要な理由だろう。

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