日々小論

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 政府は、新型コロナウイルス禍で重要課題に浮上した「孤独・孤立」の実態を把握するため12月に初の全国調査に乗り出す。全世代から抽出した2万人を対象に、孤独を感じるようになった契機や対処方法、社会的な交流の有無、心身や生活面の悩みなど30~40問を尋ねる。

 調査に関するヒアリングに応じた専門家の意見が興味深い。

 調査の意義を認めつつ、「孤独を感じることは恥辱ではないと明確にした上で実施すべき」「あなたは孤独ですか?と直接質問するのは避け、孤独を把握する調査であることを悟られない工夫が必要」などと、手法に深慮を求める助言が相次いだのだ。それだけ、個人の感情の極めて繊細な領域に踏み込もうとする調査なのだと分かる。

 「周りの人たちになじんでいると感じますか」「取り残されていると感じることがありますか」「自分を本当に理解している人がいると感じますか」

 政府が参考にする国際的な指標「UCLA孤独感尺度」にはこんな質問が並ぶ。試しに自分に当てはめてみた。真剣に考え込んでしまう質問が多く、結果は「孤独感が高い」とされるラインを軽く上回った。あれ? という意外性と、やっぱり! という納得が入り交じる。孤独の感じ方は主観的で多様だ。

 一方、孤立は社会的なつながりの欠如によって生じ、孤立している人ほど自覚しにくいとされる。有識者からは、定義や数値化が独り歩きすることで、深刻な孤立状態にある人を見逃してしまうとの指摘もあった。

 重要なのは、ひとりで苦しむ人を放置しないこと。互いの孤独感を認め合い、堂々と「助けて」と言える社会を実現することではないか。その一歩となる調査であってほしい。

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