日々小論

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 先月初旬、女性漫才コンビ「アジアン」が解散した。長年のお笑いファンとしては、さまざまなコンビの別れを寂しく見送ってきたけれど、今回はことさら多くを考えさせられた。

 馬場園梓さんと隅田美保さんが2002年に結成。05年には女性コンビとして初めて「M-1グランプリ」の決勝に進出した。一方で15年以降、隅田さんが「婚活」を理由に休業したことでも話題になっていた。

 「吉本ぶちゃいく(不細工)芸人」の一般投票で“3連覇”したこともある隅田さんだが、本人はいわゆる「容姿いじり」を嫌がっていたという。最近では同じく女性芸人の「尼神インター」や「3時のヒロイン」も容姿ネタの封印を宣言した。

 見た目を笑われたくないのは人として当然だ。しかし大きな鼻や長い顎など、外見的特徴で笑いを取るのは定番芸の一つ。女性にだけ控えるのは逆差別にも思えるし、過度な自粛は笑いの文化を衰退させはしまいか。

 東京五輪の式典で、タレント渡辺直美さんの容姿を侮辱する企画案があったという騒動も記憶に新しい。その後、当の渡辺さんは「私自身はこの体形で幸せ。個性や考え方を尊重し、認め合える豊かな世界になるよう願っています」と述べた。

 外見に限らず、人種や宗教、性別、障害の有無なども、等しく個性として認め合う。その上で、腹蔵なく「いじる」ことのできる環境が整えば、新しい笑いの扉が開かれるに違いない。

 元アジアンの隅田さんは伊丹市出身で、大の宝塚歌劇ファンでもある。今後は芝居やミュージカルに挑戦していくそうだ。次なるステージでも大いに輝いてほしい。すらりとした立ち姿やチャーミングな笑顔といった個性を存分に生かして。

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