日々小論

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 もう4年も経(た)ったのかと歳月が流れる速さを感じている。世界三大コンクールの一つ「神戸国際フルートコンクール」の予備審査が終わった。神戸市が補助金を廃止した前回から一転、今回は公費投入が復活した。

 同コンクールの「発展を希(のぞ)む会」をはじめとする市民の熱意のたまもので、会代表の竹田レイ子さんと先日電話で「忘れられない景色をいっぱい見ましたね」としみじみ話した。

 特に心に残るのは、コンクールと合わせた行事の2こまだ。一つは、神戸新聞松方ホールで世界屈指の名門、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(オランダ)のフルート奏者と地元の子どもたちが共演したコンサート。プロの胸を借り一生懸命に吹く彼らの演奏は、名人のそれとはまったく別の感動があり、フォーレの「シチリアーノ」は今も耳の奥に残っている。

 もう一つは、大丸神戸店前での市民300人によるフルート大合奏だ。五月晴れのすがすがしい日で、通行止めになった車道約70メートルにずらりと並び、音を重ねる光景は壮観だった。

 旧居留地のビルの谷間をサーッと通る薫風がさわやかな音色を運んでいくようで、何ともいえない開放感があった。ホールの微細な響きも素晴らしいけれど、こんな音楽もあっていいな! 多様さに自由を感じ、神戸の街がより好ましく思えた。

 今回の本選は新型コロナウイルスの感染拡大のため、今年の夏から来年3月に変更された。来春にはコロナが収束していることを願うばかりだ。

 応募数は前回の倍、過去最多というから、満足に表現活動ができない若手奏者の渇望ぶりがうかがえる。生演奏に飢えた私たちの心を満たす音色を、神戸の街で存分に響かせてほしい。

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