日々小論

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 新型コロナウイルスの影響で、8月に茨城県ひたちなか市で予定されていた国内最大級の野外音楽フェス、通称「ロッキン」が中止に追い込まれた。

 「緊急事態」や「重点措置」の対象地域でもなく、政府の大規模イベント規制に沿った準備を進めていただけに、ファンらのショックは計り知れない。中止か延期を迫った県医師会への抗議は2千件を超えたという。

 参院委員会でも自民党議員がこの問題を取り上げ「イベント開催可否の基準を明確にしないと、五輪にも理解は得られない」と指摘した。だが、西村康稔経済再生担当相は「最終判断の権限はIOCに」と従来の政府答弁を重ねるばかり。

 その夜、西村氏が表明したのが飲食店への「脅し」と批判された金融機関などへの要請だ。撤回したとはいえ、当事者の痛みに思い至らない、政権の致命的な欠陥が見えたと思う。

 ささやかな人生の楽しみが奪われ続けている。対策に穴があっても五輪を開くなら、細心の感染対策で営業を続ける飲食店や、安全なイベントを模索する人々の努力も支えてほしい。

 私にもコロナ禍を機にファンになったバンドがある。オンライン配信された無観客ライブで心を奪われ、先月、1年4カ月ぶりに実現した有観客ライブでもっと好きになった。

 リスクがゼロでない中、会場で拍手を送る人、オンライン配信を待つ人、それぞれを思う言葉が演奏以上に熱かった。

 「絶対大丈夫。声は出せなくても思い出はつくれる」「自分の選択に胸を張ってほしい。いつまでも待っている」。寄り添われている、と感じた。

 国民の代表であるはずの政治家たちから、それを感じられないのがなんとも切ない。

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