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 「やっぱりいらなかった東京オリンピック」という名の動画が、4度目の緊急事態宣言下で開かれた東京五輪の開会式と同時にライブ配信された。

 「やっぱりいらない東京オリンピック」などの著書がある神戸大学大学院教授の小笠原博毅さんや、元ラグビー日本代表で神戸親和女子大学教授の平尾剛さんら十数人が、リレー形式で発言、討論した。多大な財政負担を被るのは結局、開催国の住民であることなどを指摘し、改めて中止を求めた。

 開会に合わせ、映画「東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート」の緊急上映も、東京と京都で始まった。国立競技場の建て替えにより、隣接する公営住宅の高齢者らが立ち退きを強いられた過程を、青山真也監督が記録した。

 いずれも、コロナ禍で五輪開催を疑問視する声が高まる以前から、流れにあらがってきた人たちだ。例えば、政府は東日本大震災からの「復興五輪」を掲げたが、復興事業で使う資材は五輪関連の施設整備で値上がりし、人手も東京に流れた。2年前の取材ノートには、小笠原さんが憤る言葉が残る。福島県の避難者は原発事故から10年を経てなお約3万5千人に上る。

 元日弁連会長の宇都宮健児さんが五輪・パラリンピック中止を訴え、インターネット上で募った署名は45万筆を超えた。長引く自粛。暮らしが行き詰まる人は相次ぎ、自殺者も増えた。懸命に対応してきた医療現場からは悲痛な声が上がり、ワクチン接種も遅れている。そうした現状を映す数字だろう。

 「やっぱりいらなかった東京オリンピック」の録画はネットで無料公開されている。五輪について根本から考える。今更、ではなく、今こそ-だと思う。

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