日々小論

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 長期政権が終わり、県庁に染まっていない若きリーダーが誕生した。総務官僚出身で財政にも明るい。斎藤元彦氏が兵庫県知事に就任し、あすで1週間となるが、県民には新たなトップを迎える高揚感は乏しく、むしろ固唾(かたず)をのんで出方をうかがっているように感じる。

 今回の知事選で、各家庭にある固定電話向け、スマートフォン向け、投票を済ませた人たちへの聞き取りなど、延べ11日間にわたって調査した。本社では過去に例がないほど多岐にわたる調査をしたのは、有権者の行動や心理から、新たなリーダーが生まれていく過程を読み解くためだった。

 調査から見えた民意は「県政の転換」である。前県政も一定の評価はされているが、「若い力」で「変えてほしい」との思いだろう。ただ、その強さはどうだったか。斎藤氏が得た票は85万8782。得票率は46・9%と半分を切り、有権者全体からみれば2割に満たない。出口調査の結果では、斎藤氏の得票のうち26%が維新支持層で、自民の32%に次いで高い。

 調査や得票から、有権者は斎藤氏の唱える「刷新」を全面的に支持したのでも、全権を委任したわけでもなさそうだ。“維新流改革”への期待とともに、警戒感も膨らんでいる。そんな空気を察したのか、新知事は就任後、あえて「斎藤流」を掲げ、維新色の払拭(ふっしょく)に努める。

 県民の多くが、少し距離を置いて県政の一大転換点を見守っている。新知事が描く「刷新」や「斎藤流」の中身が分からず、それが兵庫をどう変えるのかが共有できていないからではないか。まずは、自らが追い求める県政の姿、理想像をじっくり語ることから始めてみてはどうだろう。

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