日々小論

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 「いつかまた、現地に行ける日が来ることを心待ちにしていたのですが…」

 NPO法人「CODE海外災害援助市民センター」(神戸市兵庫区)の理事、村井雅清さん(70)はそう語る。

 CODEは旧タリバン政権が崩壊したアフガニスタンの農村で、2003年からブドウ栽培再生を支援してきた。戦乱で焼き払われたブドウ畑をよみがえらせる営みは、まさに手探りの「再生」の道のりだった。

 行ってみると、何もかもがタリバンに破壊されていた。敵対勢力が生計を維持する環境を根こそぎ一掃する、いわば「焦土作戦」である。伝統的な地下のかんがい設備「カレーズ」も泥に埋められていた。

 日本で募った善意で基金を設立し、生産組合づくりを助け、担い手を日本に招き、山梨県のブドウ農家で研修を受けてもらう。農家のリーダーが現地で事故死する不幸もあったが、収穫したアフガンのブドウをレーズンに加工し、ようやく日本で販売できるようになった。

 「一方的だった両者の関係が、お互いさまの双方向になったんです」と村井さん。

 その地域が今、再びタリバンの支配下に置かれた。最も案じられるのは人々の安全だ。

 国際社会の批判を意識したのか、タリバン幹部は「誰にも報復しない」と明言する。だが、兵士らの女性や少数派などに対する暴力的な振る舞いが伝わり、心配は増すばかり。

 途切れがちなメールで、CODEはこのほどレーズン10キロを追加注文した。返信が現地からの無事の便りにもなるからだ。

 苦難を乗り越えてアフガンから届くレーズンを、一粒一粒、かみしめたい。今はどうか神戸に届いてほしいと願う。

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