日々小論

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 ちょっと古いデータで恐縮だが、経団連の2018年度版「新卒採用に関するアンケート」によると、企業が選考で重視する点の第1位は「コミュニケーション能力」で、なんと16年連続で断トツのトップだった。2位以下は「主体性」、「チャレンジ精神」-と続く。

 何をもってコミュニケーション能力というかは各社それぞれだろうが、これだけ変化の激しい時代にあって、日本を代表する大企業がいわゆる「コミュ力(りょく)」を若者に求め続けていることに、どこか座り心地の悪さを感じてしまう。

 そして今度は東京大学である。今年2月、吉本興業との業務提携を発表し、話題になった。

 何でも、大学や学生の情報発信力とコミュニケーション能力を高めるのが狙いで、笑いに関する共同研究などに取り組むという。提携第1弾として、お笑い芸人で作家の又吉直樹さんと大学幹部が「言葉の持つ力」をテーマに特別講義をした。

 新聞や経済誌に載った相原博昭副学長の談話が興味深い。次のように語っている。

 何かにつけて「上から目線」と言われる東大は変わる必要がある、芸人のお客さんとのコミュニケーション能力を見習って社会との対話力を高めたい、特に芸人の「場の空気を読む能力」を身に付けたい…。

 申し訳ないが、トークがうまいからといって対話が深まるとは限らないし、「上から目線」と批判される理由は別のところにあると思う。空気を読んで部下に公文書を改ざんさせた東大卒の中央官僚を思えば、むしろ「空気を読むな」と言いたい。

 さまざまな人が「コミュ力が大事」と主張するけれど、ご都合主義に響くのは、自分にコミュ力が乏しいからなのか。

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