日々小論

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 なんとも中途半端な「退陣会見」だった。菅義偉首相が9日、自民党総裁選への立候補見送りを表明してから初めて、正式に記者会見を開いた。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言を関西や首都圏などで延長すると決めた日でもあり、その報告から始めたのは分かる。

 ところが、宣言を解除できない理由の説明もそこそこに「まさに新型コロナとの闘いに明け暮れた日々でした」と回想モードに入り、ワクチンの「1日100万回接種」の実現を力説した。さらには「2050年脱炭素社会宣言」「デジタル庁の設置」などの看板政策の成果をとうとうと語り続けたのだ。

 退陣理由については「総裁選を戦うのはとてつもないエネルギーが必要」で「コロナ対策に専念すべきと判断した」と6日前と同じ内容を繰り返した。

 これでは政府のコロナ対応の説明としても、首相の退陣会見としても不十分だ。

 官邸ではさすがに二つの会見を分けることも検討したが、首相がその必要はないと判断したという。理解してもらわなくても結構、と言わんばかりの姿勢はここでも変わらなかった。

 コロナ対策に専念する、とは表向きで、党役員人事の画策など露骨な延命策が反感を買い、総裁選で再選の見通しがなくなったから辞めるのだろう、と大方の人は感じ取っている。

 「国民のために働く内閣」を掲げ、高い支持率でスタートした菅内閣は発足から今日で丸1年となる。退陣までの2週間でできることは限られるが、首相がやるべきことはある。

 カメラやプロンプターの向こうにいる国民と、最後ぐらいは本音で対話してほしい。なぜ国民の気持ちが離れてしまったのかを受け止めてほしい。

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