日々小論

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 新型コロナウイルスは祝宴の形をも変えてしまった。

 先日、後輩の結婚式に招待された。コロナ禍の日々では初めての出席であり、緊急事態宣言下でもある。少し不安はあったが、当日は入念な感染防止策が施されていた。

 この日のために準備を進めてきた新郎新婦には、言葉では表せないほどの葛藤や困難があっただろう。新しい家族の歴史の始まりに立ち会えたことに、素朴に感動した。

 挙式では「賛美歌を歌うのはお控えください」と案内された。アルコール類は提供されず、披露宴につきものの「お酌」も自粛。友人らが歌ったり踊ったりする派手な余興もなかった。

 結婚式は世相を映す。ジミ婚やナシ婚などが増えつつも、コロナ禍以前は大勢の人を招き、どう楽しんでもらうかに腐心する新郎新婦が多かったように思う。多くの人々が集まるのが難しい昨今、お世話になった人への感謝の気持ちや、祝福の在り方そのものに改めて向き合う、いわば“原点回帰”の時を迎えているのではないだろうか。

 出席人数が絞られることで、一人一人に「参加している」感が強まる。高砂席の2人をより身近に感じ、開催までの紆余(うよ)曲折もリアルに理解できるのだ。

 先が見えず、不安ばかりが先立ちがちなご時世ではあるが、その中でも大切なものを守るためにできることはある。改めてそう教えられた気がした。

 多くのカップルにとって、「結婚」という大切なシーンを理想とする形で実現できる日が、早く戻るよう応援したい。

 人は一人では生きられない。久しぶりに「人と人とのつながり」を温かく感じられる一日をもらえた。しばらくは、幸せの余韻の中に身を置こう。

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